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サザンコンフォート

                      グラス片手の四方山話

その後K君は何処でどうしているのか、全く判らなくなってしまった。
会社から持ち出した携帯も終に繋がらなくなってしまったと、後に社長が言っていた。
多分誰も行方は知らないであろう、、友達も少なかった事だろうし。

一つ彼の発言の中で面白かったのは、「社長」というものに拘っていた点にある。
「ネット界で喰って行きます」という言葉と一緒に、会社を作って云々という事も聞いていた。
そもそも社会の何たるかを学び実践できない奴が、天地がひっくり返っても実現出来ないという事を判っていない。
実際役務に就いてみれば、威張り散すより頭を下げる方が多いものだ。
それを知らずして無謀な発言をする根底には、力に対する羨望と恐れが有ったのだろうと思う。
恐れるにせよ、何も戦時下であるまいし、そこまで身を守るためにしなくても良いように思うが、K君のような彼らの場合、人間関係の構築・維持は極めて不得手であって、人と相対している間は始終緊張しているのである。
緊張しているという表現は間違いとしても、バランスが保てないでいるのだ。

すこし想像してみて欲しい。
初めて対面する相手であれば、誰しも多少の緊張感、警戒感は相手に抱くものである。
それは当然であって何ら不自然な事ではないが、危険の無い相手と知れば時間の経過とともにその緊張は解けて行くものである。
ところが、中にはその見極めが出来ない人達も居るのである。
ある程度の言葉のキャッチボールしながら、大方の考え方や人格を無意識に読み取っているものだけど、それを全く信じられない人達もいるという事なのである。
判断基準はあくまで相手に対面している自分の感覚、人格、アイデンティティーである。
が、中には恒常的に判断に躊躇が感じられたり、逆に強制的な決め付けをを行ったり、第三者に同意を無理強いしたりする場合がある。
1番目については、気が弱いとされる人にとっては自然な流れであろうが、問題なのは2番目3番目である。
そこでまた想像して欲しいのだが、自分自身が体力や気力が弱っている時、追い詰められている時に犯しやすい判断と行動ではないかという事をである。
逆を言えば、恒常的に同じ事を言っている人間は居ない訳で、相手がどういう人かを判断する場合、大掴みな判断しか出来ないのが本当のところであろう。
もし相手が、それこそ想定外の事を言ったり行動したりしたとしても、それは新たなライブラリーとして記憶し、その都度対処法を覚えながら掏り合わせて行くものだろうと私は思っている。
しかしながら、それが出来ない人達、K君のような場合にはどうするのか。
基準となるアイデンティティーが無いばかりに不安に駆られ、2番目3番目を選ぶのである。
勿論、他の選択肢も有るだが、人は人と付き合う時、これは断言出来るが従えさせる関係であればそれ程楽なものはないのである。
言葉一つで言う事を聴いてくれる関係であれば、余分なコミュニケーションも要らなくなるというものだ。
これは母子関係によく観られる状態でもある。
子供は母親に愛されようとして良い子になる。
母親は面倒くさいから良い子に仕立てようとするという関係そのものだ。
つまり年齢ばかりが大人になっても、社会性が育っていないばかりに対人関係を強弱関係で済まそうという事なのである。
普通ならば第二反抗期の14~5歳辺りで転換期を得るのであるが、不幸にも切り替えが出来なかった人は「アナタは私の言う事を聞いていれば良い」とばかりに、自分自身の母親との関係をもって、社会と対面してしまうのである。

今から30年近く前の事、女子の間で派閥闘争が起きた。
当時仲の良かった女子に聞いたのだが、事の発端は上記の言葉通り「私の言ってる事だけ聞いてりゃ良いの」という発言であったとの事だ。
何せ大人に目覚めたばかりの年代、人権やら権利やらを教え込まれたばかりの頃であったから、その反発は凄まじかった。
休み時間内での睨み合い、時に喧嘩、時に体育館裏、時に男子に加勢依頼、最後には校内弁論大会にまで至った。
まあ、そうしてぶつかり合いながらも、彼女達は立派なオバサン、、いや人格者になった事だろう。
余談だがそうした諍いを教師たちは思春期特有の事象という判断をしていた。
私は何かにつけ、この思春期という言葉を持ち出されるのが嫌いである。
私自身が成長して来た過程で、生意気な口を叩けばこの言葉で一掃されたものだ。
誰一人として面と向かって議論しようとする大人は居なかった事が、今も悔やまれる。
だから今もこうして屁理屈を捏ね繰り回しているのかも知れないが(笑)、思春期という言葉より成長期、育心期(造語)という言葉の方がピッタリ来るように思う。
もし、言葉一つでその行先が決まるような事であれば尚更だと、若き日に得た教訓として胸に仕舞っている。

いつもの事ながら話が逸れた。
何故そうなるのかというテーマがまだ残っている。
結論からすれば、人格形成期、上で言う育心期に何らかの問題があったと言える。
親からすれば子供は愛でる対象という大前提があり、その成長過程を案ずるばかりに自分の器の中だけで育てようとする場合もある。
言葉を変えれば、親に都合が言いように、問題を起さぬようにと始終心配している場合である。
それらは実に堅苦しく、全てが親の愛情とは言い難いが、特筆すべきはその時の当事者たる子供に理解が出来ていたかという事である。
子供は本来奔放なもので、躾なければサルと変らない。
私の娘だって今はボスザルになっているかも知れないのだが、サルから人間へ躾るのも、人として教育してやるのも親の役目であり、学校や教師には社会性を教えて貰えば十分と考える。
ところが中には、何時までもチビザルのままでいて欲しいと思う親が生じて来るのである。
チビザルは餌を貰っている間、力で敵わぬ間は親に従っているが、やがて体力が勝った時、逆転と歪が生ずるのである。
親が抱えられなくなった負担、試練が、一気にチビザルを襲うのである。
そいてチビザルは自己形成放棄思考となり、引篭もりや家庭内暴力を生んでしまう。
結局は子供の育心を無視した結果に違いないが、やがて社会に放り出す運命にある子供に、社会性や処世術を身に付けるチャンスを奪ってしまった親の罪は大きい。
ましてそれに甘んじた子供は、何ら言訳も出来ない状況に追い込まれる。

幸いにして引篭もる事が出来た人は別だが、不幸にして(本当はチャンスだが)社会に放り出された人は、その対処に悪戦苦闘することになる。
始めのうちは他人と歩調を合せられても、上に記したように人というものは勝手気ままな発言をし行動する。
結果、次第に疲れを感じ、他人に合せるのが苦痛となってくる。
この事象は元妻も同様であったので断言するが、そうして辛くなると引篭もってしまうのである。
だが、人というものは生きる為に行動するようにプログラムされているから、次なる対処法を見出すのである。
それが今まで親からされてきた「強弱関係の人間関係」再構築の、対社会的試行である。
自分は強いと信じれれば、何も恐れる事は無くなるものだ。
当然不安も感じなくなり、それまでビクビクとして相手の顔色を窺っていた姿勢は一転して傍若無人な態度へと豹変する。
「万能感」というものを手に入れたという思いである。
この「万能感」、興味のある方は「町沢静夫」さんや、「岡田尊司」さんの著作を読んでみて欲しい。
特に岡田さんの「誇大自己症候群」はお奨めです。

またまた話が逸れましたが、性格形成、育心には親の影響が大きいと考えます。
その親からどんな扱いをされて来たかで、子供の人生の大半は決まってしまう程の影響が有るでしょう。
K君の事をこうして思い返してみて、彼自身も酷く悩んだ事も有ったと想像するのだけど、この駄文を読んで貰いたいのはK君だったりします。
彼自身が真の意味で気付かないと、一生苦しみ続ける事でしょう。
強弱関係、違う言葉で書けば主従関係でしか人と関わりを持てないというのは、実に不幸な事だと思えてなりません。
そして、それ程恐れないで良いんだよという事も知って欲しいと想う次第です。

ヒッキーやニート君には顰蹙モンかな(汗)
まとまらなかったけど、これにて。


撮りバカ日誌、更新しました。
駄作ですが宜しかったらどうぞ。
http://d70.blog6.fc2.com/
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コメント

急かせておいて

放置しました<(_ _)>ごめんなさい。
きっとSyberさんは夏休みの宿題を9/1に仕上げた気分だったのではないかしら(笑)
 
楽しくて、やがて哀しきお話でしたね。
最近私は人から痛い目に遭わされると
反面教師で人に優しくしようという気になります。
といっても、つい怒ってしまうことも^^;ははっ

  • 2006/03/13(月) 13:04:56 |
  • URL |
  • 茜 #-
  • [編集]

いえいえそんな事は

茜さん こんにちは
今月に入ってから何かと忙しく、少々辛い事も有って更新をサボり翡翠ばかりを追い掛けてまして、挙句にデジカメまで買い換えてしまいました。
特に急いだ訳ではなく、次に書きたいモノが有ったものですから。
私も月初からムカツク事ばかりなので、順番を前後してネタにします。
「K君の社長の場合」というテーマなんですが(笑)
まぁ不義理ばかりしてくれたので、コテンパンに書きます。
ちなみに、、私はSではないです、、Mでもないです。

  • 2006/03/14(火) 13:09:53 |
  • URL |
  • Cyber #-
  • [編集]
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